採用情報


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先輩インタビュー

スポーツ感覚で林業と向き合う
森林組合の業務(造林)について
現場 造林チーム リーダー
中途採用 1997年入社 山梨県出身。
鈴木さん
林業を体験できるならと富山へ
鈴木さんは山梨県出身。「専門学校を卒業して、アルバイトを色々やっていた時に、当時、手に取った雑誌に「富山県で林業が体験できます」っていう記事を見つけました。そういえば、子どもの頃は、よく親に連れられて山に山菜を取りに行ったなと思い出し、あの頃は山へ行って何が楽しいんだろうと思っていましたが、林業の仕事をしたら自分も山を好きになれるのかもしれないと思って、まずは体験に参加してみることにしました。」
元々、体を動かすのが好きで、大人になってもスーツを着るような仕事はしないと決めていた鈴木さんは、そこでの林業体験を経て、森林組合での仕事をスタートしました。

四季に合わせて、
樹木の育成を見守る
鈴木さんが所属する造林チームでは、季節ごとに仕事内容が変わります。雪が解ける春には、雪の重みで寝てしまった保育中の苗木に縄をかけて起こす「雪おこし」を行います。植物が生い茂る夏には、「刈払い」といって先端に円盤状の刃がついた機械を使い、保育中の木の育成の妨げになる草木を刈り取り、日光が十分に当たるようにして生長を促します。涼しくなってきた秋から冬にかけては、皆伐の跡地に植栽を行います。苗木を植えてから数年は苗木の保育が必要なため、このようなサイクルを続けていくそうです。

「植樹する木は、最初30〜40センチぐらいの苗木です。植える場所の草や枝葉はきれいに取り除き、地面に均等に植えていったら、何年間は山の斜面に生えた草の刈払いや雪おこしをして木が大きく育つようにしてあげる。それが2〜3メートルぐらいになれば、もう他の草木に負けることもないから、あとは自然に任せて成長を見守っていく感じかな。」
保育期間が終わっても、鈴木さんの仕事は終わりではありません。木の樹根がしっかりと生長したら、今度は春から秋にかけて「枝打ち」を行います。樹木の下の方から横へ伸びる細い枝をナタやチェーンソーで切り落としていく作業です。富山市八尾町の森林を主に管理しており、素材生産チームや環境整備チームと協力して行うため、樹木が利用期を迎え、主伐されたあとは、また造林チームが植樹を行うように組合全体で仕事を分担されているそうです。山の環境に合わせて、毎年、植樹するエリアは異なります。
「仕事というより、健康のため」
20年以上、この仕事を続けている鈴木さんですが、入社した当時は山の中でまともに歩くこともむずかしかったそう。「刈払いの機械とか、チェーンソーって重いですよね。だから、それを持って山の斜面を歩きながら作業していくっていうのは、慣れるまで大変でした。先輩方は普通に作業しているけど、当時は中々前に進んでいくための一歩が出なかったですね。でも、だんだん体が勝手に覚えていったのかな。」と笑って仕事を始めたばかりの頃の話を聞かせてくれました。
「この仕事はやっぱり大変ですね。外で作業することが多いから、天気のいい日は仕事がしやすいけど、雨が降っても作業はしなくちゃいけないし。特に11〜12月は雪も降るし、天候も変わりやすいし、自分は寒さに弱いから冬は、とくに辛いです。」
自然のありありとした厳しさも教えてくれた鈴木さんですが、その大変な仕事を続けてこられたのも、一緒に働く組合の方々の存在が大きったそうです。
「大変なことも多かったけど、人間関係が良かったから続けてこられたと思います。組合には、50半ばから40代の自分と年も近く、体を動かすのが好きな人も多くて、一緒にマラソンに参加したことも何度かありますよ。毎日、朝から晩まで全身を使って作業しているから、同じような年代の人に比べたら体も動く方じゃないかな。もう、仕事っていうより、スポーツみたいな感覚ですね。」
鈴木さんにとっては、林業で働いたら山を好きになれるかなと思って始めた仕事。山を好きになれたかと聞かれると「どうかなー」と笑っておられましたが、山の仕事は、もう鈴木さんの生活の一部になっているんだろうなと感じられました。


森は活躍できる可能性の場
森林組合の業務(素材生産)について
現場 素材生産チーム リーダー
新卒採用2002年入社 大阪府出身
白井さん
「林業って楽しそう」
「林業の仕事って冬休みもあって、なんか楽しそう。そんなノリでたどり着いた仕事でした。」とお話を聞かせてくれたのは、大阪府出身の白井さん。
「当時は大学生でスノーボードが趣味だったので、スキー場でアルバイトをしていました。そこで、冬季間に仕事ができない林業の人たちと仲良くなり、林業ってどんな仕事をしているのかを聞いていたら興味が湧き、ダメもとで自分もそこで働けないか聞いてみたら、そのまま就職することになった感じです。」
入社後は樹木の保育を10年、その後は特殊伐採など、様々な経験を積み、現在は路網整備で活躍されているそうです。

チームのために、先を見通すこと
「誰でも木を切ることは簡単にできるんですよ。でも、切った木をどこに倒すのかとか、どの機械を使用するかとか、どう作業を進めれば工期に間に合うかとか。どれだけ先の作業のことを考えて、効率よく進められるかが、一番大切で難しいところです。」
路網整備では、間伐や主伐などの森林整備において、伐採した木材の集材や搬出を行う作業道を開設します。間伐を行う際は、伐採しない優勢木をできるだけ傷つけないように気を付けています。また、伐採した木材を一定の場所に集める「集材」や、伐倒した木の枝や梢端部を切り落としたり、決められた長さの丸太に切ったりする「造材」がやりやすいように作業道づくりの計画を立てる必要もあります。また、そうした材木を運搬するためには車が安全に運べるように作業道を設計する必要があります。

「路肩が柔らかいと重機通ったり作業をしてふんばった時に倒れてしまうから、水の通り道とかは特に柔らかいので、少しでも硬い土を別のところから持ってきて、後々、作業道として使えるように固めるとか。それで計画通りに効率よく作業が進められたときは、無駄なコストも削減できるし、やっぱり嬉しいよね。」
ただ、それだけ入念な計画を立て準備をしていても、タイヤのパンクなど実際の作業にはトラブルがつきもの。特に、これまで操縦したことがない機械を使用して作業を進める際や長く使用している機械のパーツの消耗などでは、トラブルが避けられないこともあるそうです。
「トラブルが起こると作業も止まってしまうし、修理代などもすごく費用がかかってしまいます。そのため、そういったトラブルが起こればチームに情報共有をするなど、一人ひとりの安全意識を高めて作業を進めていくのが大切だと思います。今は3つのチームに分かれて専属的にそれぞれの作業にあたっているので、そういうトラブルも起こりにくい環境になっているのもいいことだと思います。」
「新たな挑戦を続けていける環境をつくりたい」
1つの現場といっても山の中は広いため、白井さんがリーダーを務める素材生産チームでは、それぞれが分担して作業を進めています。安全に効率よく作業を進めるためには、現場へ向かう前の朝のミーティングが欠かせません。今、どのような作業をしていて、どこまで進んでいるか全員で確認し、納期に間に合うようにそれぞれの作業内容の調整を行います。それぞれの現場を効率よく回し、次のステップへしっかりと繋げられるように調整する。リーダーである白井さんの腕の見せ所です。
「事業の期限は3月になっていることが多いですが、富山は12月になると雪が降るので、それまでに自分たちの作業を終えて、次のステップに繋げないといけないという焦りもあります。でも、ケガのもとなので、メンバーには慌てずに着実に作業を進めてもらうことを大切にしてもらっています。」
林業という仕事は、みんなで進めていかなければいけない。だからこそ、造林チームだから、素材生産チームだから、これはできないというような壁を作ってほしくないと白井さんはお話をしてくれました。
「誰でも、もっとチャレンジしてみたいと思った時に、それが臨機応変に対応できるようなシステムや環境をつくっていけたらいいなと思います。色んな仕事ができる人を育てたり、女性が働ける現場も増えていけば組合自体の仕事の幅ももっと広がっていくんじゃないかなって思います。」
白井さんは、入社した時にできなかったこと、知らなかったことがたくさんあり、それらをできない自分を変えたくて、知らない、わからないことがあれば、それができるようになるまで取り組み続けてきたそうです。そんな白井さんに今後の目標をお聞きすると、「まだまだ知らないことがあれば、勉強してできるようになっていきたい」と言われました。どこまでも、新しい挑戦を続けられる林業の現場で、新しい刺激を求めている白井さんの姿はまぶしく、すごくかっこいい大人だなと感じました。


好奇心が満たされる、富山の森
新しい目線で
事業課 技師
中途採用2020年入社 富山県黒部市出身
東さん
「自然に囲まれた暮らしがしたい」
将来、自分はどんな暮らしがしたいんだろう?東さんの実家は自然が豊かな場所で子どもの頃から山で暮らしていきたいという夢があったそうです。
「自分がずっと憧れてきた山暮らしを叶えたくて、転職を考えた時に林業なら色んな知識を得られるかなと思ったんです。そこから林業について色々と調べてみたのですが、どんな仕事か、中々情報が集まりませんでした。」

そんな時、富山県にある林業担い手センターから婦負森林組の求人を紹介してもらい、「想像するよりも実際に話を聞いてみよう」と思ったそうです。
「最初は現場作業志望だったのですが、組合の方と仕事内容や体力の不安など色々お話をさせていただいた所、現場管理の方をやってみませんか?と声をかけていただき、働くことになりました。」
所有者さんと協力して、
山の整備を進める
「1年目は先輩の後をついて行き、森林組合ではどのような事業をしているのか、どのように仕事を進めているのかなど、色々とアドバイスをいただきながら、学びました。2年目から少しずつ事業を任せられるようになりました。」
現場の作業工程や段取りなどの管理を行うのが、東さんの仕事です。実際に森林を管理する、造林、素材生産、環境整備の3つのチームと事業を進めるために、様々な打ち合わせを行います。事業を開始するために必要な準備、作業を実行するチームの人数や作業者の選定、実施期間の確認など、他の事業担当者や各作業チームのリーダーと相談しながら、事業の始めから終わりまでの段取りを行い、事業を確実に進めていくのが、東さんの仕事です。
「現場では測量や工事写真を撮ったり、事務所では書類作成と所有者さんや行政とのやり取りをしています。所有者の確認など調べ物が多いのが大変ですね」

森林の管理や経営には専門的な知識や技術、コストがかかります。しかし、現在は様々な補助もあるので森林組合ではそれらを組み合わせて現況にあった整備の提案をしておられます。
「富山県は山林でも地番が細かく、所有者さんが多いのでコミュニケーションがとても大切です。意向も汲んでより専門的な知識でバックアップできるよう日々勉強中です。」
「ここで働いて良かった」と
実感する日々
「現場管理職で女性がいなかったため、入社時はうまくコミュニケーションが取れるか少し不安でしたが、色んな人が話しかけてくれて、すぐに受け入れてもらえた感じがしました。早いうちから冗談を言い合えるような明るい職場ですね。だから、わからないこともたくさんあったのですが、聞いたら「こうすればいいよ」とすぐに返しがあるので、何でも相談がしやすくて、頼りになる先輩たちです。」
今後やってみたいことを聞いてみると、現場での仕事や企画など、やりたいことが色々あって困っていると笑顔で話してくれました。
「でも、やっぱり一番は現場責任者や管理を行う立場として適切な指示を出したり、間違っていることがあれば教えられるような存在にならないといけないので、そのために現場に対しての知識や理解をもっと深めていきたいですね。」
林業の仕事をし始めてから、家族や友人から「生き生きしている」と言われるようになったという東さん。富山県は全国的にみても植生が豊かな地域で、様々な動植物が変わり、様々な動物に遭遇するそうで、それぞれの現場の個性を見つけるのが、一番の楽しみだそうです。毎日行く現場でも、季節によって違う顔を見せてくれる。そんな山だから飽きることがないという東さんの話を聞いていたら、いつか富山の森を歩いてみたくなりました。
